夏休みに私が体調を崩した日は、剣城くんと一緒にひまわり園に行った日のことだ。

あの時は、色々と疲労が溜まっていたから、柚希たちが来てくれた辺りからあまり覚えていない。


『…で、絢人くんがどうかした?』


お父さんの問いに、再び涙が出そうになるのを堪えて、私は答えた。


『思い出した』

『……えっ?』

『お母さんの日記帳を読んで、剣城くんのこと思い出したの。私と剣城くんは、7歳の頃に会ってた……』


剣城くんが言っていたあの日(・・・)が一体何のことだったのか、理解できなかったけど、今ならわかる。

これまでの彼の言葉も、行動も、全部、小さい頃から私を想ってのことだったのに。

それなのに私は───…。








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「これ、覚えてる?」



筆箱から取り出して、四つ葉のクローバーの押し花を剣城くんに見せる。

剣城くんは、押し花に目を向けた後、すぐに私の方へと視線を戻した。


「盾石にとって、『大切な物』って言ってたやつだろ?」


白々しい態度で言う彼に、顔をしかめながら話を続ける。