剣城くんは押し強い





昼食を済まし、自宅へと帰ってきた私たち。

リビングのソファーでのんびり過ごしていた最中のことだった。


「柚奈、見てこれ!柚奈たちのアルバム整理してたら母さんの日記出てきた!」


日記帳らしきものを何冊か抱えているお父さんは、ソファの上にそっと置く。


「いっぱいあるんだね」

「柚奈たちが1歳くらいになった時から書き始めたらしいし、そんなもんじゃないのか?」

「お父さん、すっごい適当なこと言うじゃん」

「だって父さん、母さんの日記読ませてもらえなかったし……」


私は、ため息混じりに一冊手に取って、1ページ目を開いた。