「……あ"?」と、柚希が鋭い目つきでガン飛ばしてきたので、私も張り合うように睨み返した。

バチバチ、火花を撒き散らしながらお互い負けじと睨み合っていると、

「柚奈!柚希!」

扉の方からお父さんの弾んだ声がした。


「17歳の誕生日、おめでとう〜〜〜っ!!」


呼ばれて視線を移すと、パンッ、パンッ!!と、クラッカーの爆ぜる音が部屋に響き渡った。


「いえーい!!」

「「……」」


ご満悦そうな表情で、私たちに拍手を送る。


「……父さん」

「ん?どうした?」


数秒程、黙っていた柚希が口を開く。


「誕生日、祝ってくれてありがとう。でも、クラッカーは人に向けて打つな」

「…えっ、ご、ごめん……」


そ、そんな真面目な顔で言わなくたっていいのに……。


「…お、お父さんは私たちに喜んでほしくてやってくれたことなんだしさ!…あっ!お父さん、祝ってくれてありがとう!!」

「柚奈、大丈夫だよ。確かに、柚希の言う通り、クラッカーは人に向けて打つ道具じゃない。……なんか、あれだな。上司に正論を突きつけられたような気持ちになったよ……」

「お、お父さん…っ!!」