柚希は、怪訝な面持ちでため息をついた後、


「…ゆずなも誕生日おめでと……」

「ありがと〜〜〜っ!!」


可愛い弟の頭をわしゃわしゃと撫でた。


大事なことなので、2回言わせてもらおう。

本日、9月25日は、私と柚希の誕生日である。

今年で、私たちは17歳だ。


「……ゆずな」

「なに?」


真剣な表情をした柚希がじっ…と、私の目を見つめてくる。


「いや、その……あやととさ、何かあった?」

「へっ?剣城くん?」


"何かあった"とは?

私と剣城くんの間に進展があったかどうか……ということだろうか。

腕を組み、頭を捻らせながら、これまでにあった出来事を振り返る。


「……特に何もない、かな」

「……」


何か言いたげに顔を歪ませる柚希は、もごもごと口を開いたり、閉じたりと忙しい。


「…なんなの、じろじろ見ないでよ」

「は?見てねえし」

「いや、見てるじゃん」

「見てねえし!……あぁ、もうっ!今日のゆずなのテンション、めちゃくちゃうざい!!」

「柚希だって、体育祭とか、学校の行事がある時、いつもよりテンション高くてうざいよ?」