やっぱそうじゃん。
俺と盾石が両想いなわけがない。
先程の様子からして、彼女自身が決めた相手は、俺ではなく、彼───槍田くんだ。
結局、俺の気持ちは盾石に届くことはなく、ただ一人で勝手に期待して、現実を突きつけられるように思い知らされて。
今の俺、なんて惨めで滑稽なんだろう。
「あれっ、あやと？おまえそんなとこで何してんの？」
「……っ、柚希、こそ……」
「オレはバイト帰りだけど……」
俺の表情を見た柚希は、何かを察したのか、「……どうしたんだよ」と、聞いてくる。
「……柚希、俺さ…。終わった…と、思う……」
「えっ……」
柚希が「何が？」と、言って首を傾げた。
その後、これまでの経緯を説明すると、柚希は目を見開いて、声を震わせながら、
「…それ、マジで言ってる？」
理解し難い表情をしていた。
「俺、どうしたらいいんだろう…」
盾石に対する気持ちを諦めるべきなのか、どうなのか。
「…もう、潮時かもしれない……」
「えっ、いやっ、そんっ…えぇ〜〜〜…っ！？」
叶わない恋だとわかった瞬間、とてつもなく苦しい感情に襲われた。
