…やはり、俺じゃ頼りにならないのかもしれない。

俺なんかより、"槍田くん"の方が───…。


以前、生徒玄関の出入り口付近で、槍田くんと盾石が話している場面を目の当たりにした。

同時に『俺じゃダメなのだろう』と痛感し、それ以来、ネガティブな思考にばかり捉えてしまうようになった。


「つるちゃーん!次、移動教室だぞ〜……って、どしたん?この世の終わりみたいな顔してんじゃん」

「…何でもないよ」

「ふーん。何でもなくはなさそうだけど?今のつるちゃん、すっげー陰のオーラ纏ってるし」

「俺は元々、根は暗い方だよ」


そう言って、眉を下げた俺は、椅子から立ち上がり、移動教室へと向かった。





この時の俺は、まだ知らない。

(のち)にトドメを刺されるようなダメージを受ける出来事があることを───。