「…えーっと、次、宣伝係やりたい人〜?」


隣から視線を感じることに気づかないまま手を挙げると───…。


「はいはいはいはい!!!」

「盾石さん、うるさいのでもう少し声量を控えてください」


矛杉に注意をされる盾石の方を見ると、タイミングよく目が合った。


「頑張ろうね、剣城くん!」


意気揚々とした表情でガッツポーズを決める盾石に「う、うん…」と頷く。


今日は一段と元気だな…と思う反面、無理をして笑っているのだろうか…とも考えてしまう。


──『───…辛いこととか、しんどい時があったらいつでも言って。ずっと盾石の側にいるから───…』


彼女の前でそう言ったはいいものの、当の本人は、ぽかんと口を開けてただ俺を見上げているだけだった。