「そういえば、盾石の好きな人って同じ学校の人?」

「ゔえっっ!?そっ、そうだけど…」


公園を後にした帰り道、槍田くんが唐突な質問をしてきたので、思わず裏返った声を出してしまう。


「それって、この間俺と盾石のこと見てた人?」

「えっ?」

「『つるちゃん』って呼ばれてたよな?一瞬だけ目が合ったんだけど、めちゃくちゃかっこよかった。少女漫画に登場するヒーローみたいな人だったなぁ〜…」

「……」


"この間"とは、私と槍田くんが生徒玄関前で偶然的な再会をした日のことだろう。


「…あっ、もしかして今あそこのコンビニから出てきた人、そうじゃない?」

「───えっ…」


槍田くんの視線の先を辿っていくと───…。



「……あっ」



少し目を見開いた剣城くんが私たちの姿を見て、ピタッと体を止める。


「つるちゃーん!どうしたんだよ、急に立ち止まって──…んっ?あれ!?盾石じゃん!」


剣城くんの背後から、矛杉くんが不思議そうに顔を出す。

そして、私の隣に立っている槍田くんに気づき、「(えっ、修羅場…?)」と、心の中で呟いているのを知る由もない。