私たちがやって来たのは、駅から少し歩いた所にある公園。

以前、ここの公園で剣城くんに介抱してもらった場所だ…。

わざわざ女子トイレにまで付き添ってくれた剣城くんの目の前で思いきり吐いたり、

胸の奥底で抱えていた本音を聞いてもらったりと……何というか、たくさん迷惑をかけてしまったなぁ。


「盾石」


槍田くんがゆっくりこちらに振り返る。

真剣で、だけど少し強張ったような表情を向ける彼に、ぎゅっと胸を締め付けられる感覚がした。


「…もう盾石には俺の気持ちバレてるけど、改めて言わせてほしい」

「…うん」

「俺、中学の頃から盾石が好きだ」

「……」


告白、されてしまった。


槍田くんが私を好きだという、噂が流れ始めてから、茶化されたり、揶揄われたりして。

当時は周りから散々騒ぎ立てられて、恥ずかしくてすごく嫌だった。

もちろん、ドキドキした───…けれど、違った。


「…っ、ごめんなさい」


槍田くんに対しての気持ちは、恋でも何でもなかった。



「私、好きな人がいる」



私はもう、とっくに剣城くんに落ちていたんだ。