剣城くんは押し強い


恐る恐る彼の反応を窺うと、無表情の剣城くんがじっ…とこちらを見ていた。


「……何、その思わせぶりな言い方」

「えっ…」


数秒程、間があった後、困ったように眉を下げながら剣城くんはそう言った。

そして、小さくため息をついてから手を動かし始め、作業を再開する。


つ、伝わっていない…だと……!?

言い方が遠回しすぎたのだろうか。

もしかすると、相手に伝わりにくい言い方をしてしまったのかもしれない…。

きっとそうに違いない…!!

私の馬鹿!!


「……剣城くん」

「んー?」


しかし、焦るのはまだ早い。
機会はいくらでもある。

今度は、私の方から押し強く攻めさせていただこう。


「…その、看板……い、一緒に手伝っても、いい?」

「いいけど、やっぱ一人じゃ大変だった?」

「う、うん!そうみたい…!!」


ごめん、剣城くん。本当は嘘なんだ。

これは、私がただ剣城くんの近くにいたいだけの口実なんだよ。


私たちの間に一人分の距離があることを把握する。


剣城くんにどのような攻撃を仕掛けますか?▼
▶︎距離を詰める
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