「別に話さなくてよくね?ゆずなのこと好きって言ったの、本人じゃないんだしさ〜」

「話したいことあるんだったらもっと早く声かけて来いって感じなんだけど。槍田マジで意味わからん」


反対する2人に、私は苦笑いを浮かべる。


「2人とも、ごめん。でも、私、ちゃんと言わなきゃって…。話さなきゃいけないって思ったんだ……」


槍田くんとけじめをつけたい。

中学の時のように、恥ずかしがって逃げる行為はもう、したくないんだ。


「私が好きなのは、剣城くんだから。それだけは、2人にわかっておいてほしい…」


私の真剣な表情に、ももちゃんたちは顔を見合わせて、きゅっ…と口を噤んだ。


「…柚奈が頑張るなら別に……」

「応援してるぞ。何か相談あったらオレらに言えよ?」


励ましの言葉を貰い、「ありがとう」と笑顔で礼を言う。


「ところで柚奈、あんた朝から剣城に声かけてたよね。えらいじゃん」

「う、うん!勇気出して『おはよう』って言ったら、剣城くんも返してくれたんだ!」

「いや、挨拶するのは当たり前だろ」

「……」