槍田くんが物凄く優しい人なのは、中学の時から知っている。
剣城くんみたいに自分の顔の良さを上手く使うようなあざとい手段はしないと、わかってはいるけど───…。
…でも、結局槍田くんが私のことをどう思っているのか、さらっと知れたし、私も彼と向き合う時間が必要だ。
───それならば、私の答えは一つ。
意を決した私は、槍田くんを呼び止めた。
「やっぱり、会って話そう!私も話したいことある!」
そう言うと、槍田くんはパッと顔色を明るくさせて、「ありがとう!」と返事をする。
またもや外野が「ヒューッ!」と騒ぎ立ててきたので、再度鋭い目つきで睨みつけてやった。
槍田くんと話さなければならないこと、言わなくちゃいけないこと。
やっと今の気持ちに気づけたから。
『好きな人ができた』って、
自分の思いをちゃんと伝えよう。