剣城くんは、そのまま友人たちと共に教室を出て行く。
彼らを見送った後、しゅんっ…と肩を落とす私にももちゃんが「まだまだこれからよ」と、励ましてくれた。
いつもは剣城くんから話しかけてくれていたため、こんなにも緊張したり、落ち込んだりするのは初めてだ。
それに、よく考えてみれば、剣城くんって、男女問わず人気があるんだよね。
毎日人に囲まれている所を1年生の頃から見ていたので、私に声をかけてくれること自体、すごく有り難い行為だったのだ。
「はあ〜〜〜〜っ…」
大きいため息をついて、上履きからローファーに履き替える。
そして、正門へと向かっていた最中、ふと視線の先に他校のジャージを着ている男子の集団がぞろぞろ歩いてくるのが見えた。
背中には、英語で学校名が大きくデザインされている。
部活指定のジャージだろうか。
…にしても、高身長な人が多いな。
そういえば、クラスの女子たちが『今日、Y高のバレー部とうちの学校のバレー部が練習試合をするらしい』と話していたっけ。
だからほとんどの人たち皆、背が高いのか…。


