その間もリッキー様は何度も飛び上がっては、本を取り出そうとしています。
大人がいるのですから頼めばすぐに取ってもらえるのに、どうしても自分でやりたいのか、それこそ一心不乱に本を取ることに集中しているみたい。
指に引っかかった本が少しずつ斜めになって、もう少しで取れそう、いえ、落ちそうってハラハラしたところに、レイ様が絶妙のタイミングでリッキー様の脇を抱えて持ち上げました。
「もう少しだったのにー」
不満げに口を尖らせるリッキー様に
「落としたら、本が傷つくぞ。それに怪我をしないとも限らないし」
レイ様がすぐさま諫めます。



