「は、はい」 エイブの声がうわずって、顔が若干引きつっているように見えるのですが……気のせいですよね。 エイブの反応を満足げに眺めた後はいつもの穏やかなレイ様に戻りました。 緊迫した空気が弛緩して、リッキー様の表情も明るくなりましたね。相変わらず私に抱き着いていますけど。 異様な雰囲気を察したのか部屋の隅に逃げていたマロンが、リッキー様の足元に来て何事もなかったように、ノンキに毛づくろいを始めました。