「本当によかったです。お嬢様は生きがいを見つけて修道院で頑張っているのですね」
「心配していたのか?」
「少々。お転婆で自由なお方でしたから」
遠慮するのをやめたのか、なんともしがたい評価が増えていた。
謹慎中も色々やらかしたからな。我儘とか非常識とか言わない辺りはマギーの優しさだろうか。
「俺も修道院に順応できるのか、実はハラハラしていた」
「ジェフリー様もですか?」
「ああ」
内心は手に負えなくて返されるのではないかと心配していたのだ。俺達は顔を見合わせてクスリと笑った。
その杞憂もなくなり心置きなく国を出ることができる。
「お嬢様に手紙を書いてもよろしいでしょうか?」
「ん? それは構わない。好きにしたらいい。リリアも喜ぶかもしれないな」
「ありがとうございます。落ち着いたら早速書いてみようと思います」
我々はこの国からいなくなる。
気にかけている者がいると知れば少しはリリアの慰めにもなるかもしれない。



