「はあ……。わかったのならいい。あとエイブをおいてくるな。一緒に行動しろと言われているだろう? 忘れたのか?」
まだ、終わっていなかったようです。
リッキー様がビクッと肩を竦めて私の手をぎゅと握りました。
レイ様は鬼の形相でリッキー様を睨んでいます。
「ごめんなさい」
リッキー様も心当たりがあるのでしょう。今度はすんなりと謝りました。
「お前は次期王太子なんだ。一人になることは許されない。それがたとえ王宮でもだ。もしもお前に何かあった時に一番に罰せられるのはエイブや護衛たちだ。そこもよく考えろ。子供だからは俺たち王族には通用しない。リッキー、わかったか?」
「うん」
容赦のない叱責に私の身も震えました。
リッキー様も反省しているようですから、今後は無茶な行動はなさらないでしょう。



