婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています


「商売はどうするのだ? しばらく取引はしていないのだろう?」

「そうですね。取引を見合わせる。取りやめるとの話はちらほらと来ています。今回の件で厳しい見方をされているのは事実です」

「そうか。身内が王族に無礼を働いたのだものな。下手につき合って、同類だと王家に目をつけられるのもいやなのだろう」

「俺も逆の立場であれば、同じことをするかもしれません」

「……そうだな」

 今のところは商売に支障が出るほどのものではないが、将来的にはどうなんだろうな。

 リリアがいればこれから先も問題を起こす可能性もある。結婚してからも。
 一生悩みは尽きないかもしれない。とんだお荷物をしょい込んでしまったものだ。テンネル侯爵家にも悪いことをしてしまった。

「リリアはどうしますか?」

「リリアか。このままにはしておけないだろう。早急に対応せねばならないだろうな」

「そうですね。王太子殿下の温情に甘えて、何もしないでは王家にも顔向けできませんからね。誠意を見せるためにも何らかの処罰は必要でしょう」

 俺達は最良の道を探すべく話し合いを始めた。