「商売はどうするのだ? しばらく取引はしていないのだろう?」
「そうですね。取引を見合わせる。取りやめるとの話はちらほらと来ています。今回の件で厳しい見方をされているのは事実です」
「そうか。身内が王族に無礼を働いたのだものな。下手につき合って、同類だと王家に目をつけられるのもいやなのだろう」
「俺も逆の立場であれば、同じことをするかもしれません」
「……そうだな」
今のところは商売に支障が出るほどのものではないが、将来的にはどうなんだろうな。
リリアがいればこれから先も問題を起こす可能性もある。結婚してからも。
一生悩みは尽きないかもしれない。とんだお荷物をしょい込んでしまったものだ。テンネル侯爵家にも悪いことをしてしまった。
「リリアはどうしますか?」
「リリアか。このままにはしておけないだろう。早急に対応せねばならないだろうな」
「そうですね。王太子殿下の温情に甘えて、何もしないでは王家にも顔向けできませんからね。誠意を見せるためにも何らかの処罰は必要でしょう」
俺達は最良の道を探すべく話し合いを始めた。



