レイ様が慰めてくださいます。 今日は聞こえなかった。 きっとそうなのでしょう。 レイ様の優しい心遣いに勝手に落ち込んでいた私の心が浮上して、元気が出てきました。 「さあ、宮に戻ろうか。一緒に朝食を取ろう」 朝日が昇り辺りはすっかり明るくなっています。今日もよく晴れた一日になりそうで、心がうきうきとしてきました。 レイ様はショールを外すと護衛騎士に預けます。 差し出された手を取り立ち上がると、陽光に照らされて神々しく咲き誇る蓮の花を背に西の宮へと帰りました。