「レイ様、お願いがあるのですが」
「お願い?」
ここ最近、考えていた事。
「宮を出てて家にへ帰りたいのです」
「えっ!」
レイ様はギョッとした顔をして私を見つめました。
「ちょっと待って、いったいどうしたの? お、俺の事が嫌いになった?」
サーと顔色が悪くなって慌てふためくレイ様。動揺が激しい。
あの……私、言葉を間違ったかしら?
「いえ、そうではなくて」
「うん。ちゃんと話し合おう。何か気に入らないことがあったら、正直に言って。直すから」
私の手を握るとベンチへと座らせました。レイ様の手が微かに震えています。酷く真剣な顔が目の前にあってトクッと跳ねる心臓の鼓動。
「嫌いになったとかではなくて」
「嫌われたわけではないんだね?」
「はい」
大きく胸を撫で下ろすレイ様。



