婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています


「レイ様、お願いがあるのですが」

「お願い?」

 ここ最近、考えていた事。

「宮を出てて家にへ帰りたいのです」

「えっ!」

 レイ様はギョッとした顔をして私を見つめました。

「ちょっと待って、いったいどうしたの? お、俺の事が嫌いになった?」

 サーと顔色が悪くなって慌てふためくレイ様。動揺が激しい。

 あの……私、言葉を間違ったかしら? 

「いえ、そうではなくて」

「うん。ちゃんと話し合おう。何か気に入らないことがあったら、正直に言って。直すから」

 私の手を握るとベンチへと座らせました。レイ様の手が微かに震えています。酷く真剣な顔が目の前にあってトクッと跳ねる心臓の鼓動。

「嫌いになったとかではなくて」

「嫌われたわけではないんだね?」

「はい」

 大きく胸を撫で下ろすレイ様。