お土産を広げてお茶を満喫した後は皆張り切って仕事へと戻っていきました。
「気持ちがいいですね」
日差しが柔らかくなりそよ風が適度な涼を運んできて肌に心地よくて、バルコニーから見る緑の景色も目に潤いを与えてくれます。
「そうだね」
隣にいるレイ様がにっこりとした微笑みにつられて私も笑顔になりました。
今日の仕事は終わったそうでゆっくりと過ごせるそう。
ディアナと出かけている間、猛烈に仕事をしていたらしく「殿下とゆっくりとお過ごしくださいませ」とセバスにこっそりと言われてしまったわ。
レイ様、どれほど頑張って下さったのかしら。
風になびく髪をかきあげる仕草が優美できれいな横顔に見惚れてしまいました。この方が私の婚約者だなんて、もしかしたら夢を見ているのではないかしらと朝が来るたびに思ってしまう。
「どうしたの?」
「……何でもありません。いい天気だなあと思いまして」
レイ様の怪訝そうな顔。見つめすぎてしまったみたい。慌てて私は気を逸らすように外の景色に目を移しました。
「まあ、確かに」
レイ様は空を見上げました。少し傾いた太陽の眩しさとぽっかりと浮かぶ白い雲。どこまでも蒼い空は長閑で平和そのもの。私も同じように空を眺めました。
レイ様の隣にいられる幸せを噛みしめながら。



