レイ様に抱きしめられるのはいつもの光景なので、みんなも耐性ができたのか生暖かい目で見られるか、その場を立ち去るか、無反応か、その時々で反応は様々。
私も随分慣れました。
「レイ様。お土産を一緒に食べませんか? 珍しいものをたくさん買ってきたんですよ」
「うん。でも、もう少しこのままで」
留守にしたのはほんの半日くらいなのに。約束の時間よりも早く帰ってきたのに。私の存在を確かめたいのか、心配だったのか、なかなか離して下さいません。
レイ様……
私達には目もくれず、周りはワイワイと楽しそうにセッティングが進んでいるようですが、レイ様の耳には入っていないよう。
困ったけれど、思いを寄せて下さるレイ様が愛おしくて突き放すことは出来なくて。しばらくの間、私は目を瞑り温もりを堪能するようにレイ様の腕の中に包まれていました。



