「主犯格のメイドと盗賊達は極刑。近いうちに刑は執行されるでしょう。シュミット公爵夫妻と兄家族はそのあとに新しい領地に送られるわ。確か五才の息子と三才の娘がいたわよね。息子の方はリチャードと同い年だから側近になれたかもしれないのに、残念だったわね。男爵では取り立ててあげられないもの」
「あっ……」
「そうでしょう? リチャードは未来の王太子。側近も優秀な高位貴族から選ばれる。爵位を考えればあなたの甥は筆頭候補。わたくしも期待していたのに、本当に残念よ。あなたのお兄様だって期待していたのではないかしらね。それなのに、あなたの愚かなふるまいが甥の明るい未来を閉ざしてしまった。嘆かわしいことね」
「そ、そんな……」
ショックを受けたのか顔を伏せ小刻みに肩が震えている。
少しは事の重大さが分かったのかしらね。
本人にとってはたわいもない嘘が犯罪を呼び大きく波紋を広げていく。



