婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています


「それにしても、シュミット公爵家も落ちたものね。娘が平気で嘘をまき散らすんですもの。とてもがっかりしたわ」

 アンジェラが扇子の奥で大袈裟に嘆息した。

 雲行きが怪しくなったと思ったのだろう。ビビアン様の顔がにわかに曇る。

「ガーデンパーティーで知り合ったとかレイニーと恋仲だとか、西の宮で逢瀬を重ねていただとか、結婚の約束もしていたのですってね。それとレイニーから指輪をプレゼントされたのよね。どういうものだったのかしら。その指輪見てみたいわね」

 メイドが告白した内容は、何も知らなければ信じてしまいそうになるくらいよくできていた。

 それもそのはずよね。それには真実も含まれているから。本人の体験ではなくてもね。

 指輪ね。
 メイドが見せてもらったと言っていたものね。その時のビビアン様はとても幸せそうだったとか……茶番もいいところだけれど、メイドは真剣だったわ。

 ビビアン様の顔は赤くなったり青くなったり忙しい。