「それにしても、シュミット公爵家も落ちたものね。娘が平気で嘘をまき散らすんですもの。とてもがっかりしたわ」
アンジェラが扇子の奥で大袈裟に嘆息した。
雲行きが怪しくなったと思ったのだろう。ビビアン様の顔がにわかに曇る。
「ガーデンパーティーで知り合ったとかレイニーと恋仲だとか、西の宮で逢瀬を重ねていただとか、結婚の約束もしていたのですってね。それとレイニーから指輪をプレゼントされたのよね。どういうものだったのかしら。その指輪見てみたいわね」
メイドが告白した内容は、何も知らなければ信じてしまいそうになるくらいよくできていた。
それもそのはずよね。それには真実も含まれているから。本人の体験ではなくてもね。
指輪ね。
メイドが見せてもらったと言っていたものね。その時のビビアン様はとても幸せそうだったとか……茶番もいいところだけれど、メイドは真剣だったわ。
ビビアン様の顔は赤くなったり青くなったり忙しい。



