「思い出した?」 尚も楽し気に微笑むレイ様は今度は私の唇に指を這わせました。長くて白い指が半開きの唇をなぞっていくと痺れにも似た得体の知れない感覚が全身を襲ってきて、思わず目を瞑りました。 「指だけではわからないよね? 唇の感触って」 なんて返せばいいの? 徐々に崖っぷちに追い詰められている気分だわ。後ろはまさしく崖の下。 「認めるよね? 俺の唇に触れたこと」 「!……」 ああ。 もう、ダメだわ。