「い、いえ。寝てしまった私が悪いのですから、本当に申し訳ありません」
体を縮こませて謝る私に
「気にしなくていいのに。そんなことよりも、もうすぐ花が咲くよ。見逃さないようにしないと」
私の失態など気にする様子もなく、池を指し示しました。
反対の手はしっかりと私の手を握って。まるで、逃がさないよと言わんばかりに……
もしかして、ばれていたのかしら?
レイ様の顔を見ても、微笑みを湛えた表情からは何の感情も窺えません。
ぎゅっと握りこまれた手から、レイ様の絶対なる意志が伝わるようで、心が張り詰めごくりと喉がなりました。
優し気な表情なのに……裏腹な気持ちを感じてしまうのは、私の気のせいでしょうか?



