「お気持ちは有難いのですが、私達はまだ婚約者同士。結婚しているわけではないので、外聞が悪いのではないでしょうか?」
「外聞か? ローラはそんなものが気になるの?」
「それは、やはり気になります。レイ様の評判に関わるかもしれませんから」
貴族同士なら両家の取り決め次第でどうにでもなるのでしょうけれど。
レイ様は王族です。
結婚前から婚約者を住まわせてなるとなれば、公私混同していると批判されるかもしれません。そのことでレイ様が悪く思われるのは心苦しいですし。
「俺の心配をしてくれているんだね。王族の裁量もあるのはあるけれど、大抵が議会にかけられるんだよ。俺達の件も議会から承認をもらっているから、ローラは大手を振って王城を歩いていいんだよ。いい機会だから、本宮を案内しようか?」
「えっ?」
承認されているって? えっ?
「うん。婚約が成立した時にね、同居の許可ももらっているんだ。あの事件があった後だから、すんなり通ったみたいだよ」
さらに笑みを深めるレイ様。パクパクと口を動かすだけで言葉が出て来ない私。



