「帰りたいの?」
「え、と。それは……でも、いつまでもお邪魔するわけにはいきませんし」
宮でお世話になる条件は事件が解決するまで、だったはずなのですよね。本音を言えば帰りたくないけれど、いつまでも甘えるわけにもいかないでしょう。
「まだ、判決が出ていないから事件は完全に解決したわけではないよ」
にこりとレイ様が微笑みました。
そういわれればそうかもしれませんが、なんとなく屁理屈に聞こえてしまうのは気のせいかしら?
「それに、ローラを二度と危険な目に会わせたくないんだ。だからずっとここにいて? ね?」
ちょこんと首を傾げてお願いするレイ様はつぶらな瞳で尻尾を振っている子犬のようにかわいく見えて、思わず頷きそうになりました。



