「ローラ」
侍女達と和やかに過ごしているとレイ様が部屋に入ってきました。
「レイ様。お疲れ様です」
朝から忙しそうで昼食も別々だったので、久しぶりにレイ様を見たような気がしました。とは言っても朝食は一緒に取ったので数時間ぶりなのですけれど。
「時間が取れたから、今から俺につきあってくれる?」
「はい」
「図書室に行こうか?」
レイ様のお誘いにエルザ達が微笑ましく見つめています。
プロポーズを受けた日から歓迎ムードは続いていて、私達を温かく見守ってくれているような雰囲気があり、有難いと同時にこそばゆさを感じている今日この頃。
「では、図書室にお茶の準備を致しますね」
「頼む」
エルザ達はお茶を運ぶ準備を始めました。
「さて、行こうか」
差し出された手を取ると図書室へと向かいます。
レイ様の横顔を眺めながら、愛する人に巡り合えた幸運に感謝せずにはいられません。
時折私に向ける視線が甘くて私の心が蕩けそうになって困ってしまいます。幸せ過ぎて怖いくらい。
日に日に積み重なる幸せな時間。
レイ様と歩きながら幸せを噛みしめていました。



