「フローラ嬢の事件は王族案件として調査されているということだ。この状況をみれば我々もなんらかの形で責任をとらされるだろう。それほどの大罪を犯したのだよ。それを自覚しなさい。直接犯罪の指示をしなかったとしても、嘘をメイドに吹聴し憎悪を植え付けて犯行へ導く。誘拐教唆、殺人教唆……。どんな判断が下されるのだろうな」 「そんな……わたくしは……」 両親の侮蔑の視線に晒されてボロボロと涙を流すしかない。 フローラを害しようなどと思ったことはなかったのに。 どうしてこんなことになってしまったの。