慈しむような声音で囁きかけたレイ様は私の肩を抱き寄せました。
レイ様の体温が肩越しに伝わります。
温かい。
「レイ様もちゃんと羽織って下さいね」
「うん。気遣ってくれてありがとう」
レイ様の穏やかな眼差しが眩しくて、幸せな気持ちが心の中を満たしていきます。
知らずに胸の奥にこみ上げてくるものが、鼻の奥がツンとして涙ぐみそうになりました。でも、グッとこらえます。
愛おしい。
そんな思いが心の中をよぎりました。この芽生えた感情は何なのか……
ほんの少し、ほんの少しだけ……ほんの少しの間だけ……
私はレイ様の肩に、寄り添うように頭を預けました。



