通された書斎。
お父様とお母様が並んで座っていた。
エマはどこかしら?
部屋を見回しても両親の他は誰もいない。
ヨハンがワゴンを引いて中に入ってくるとお茶の準備を始めた。
「お父様。エマはどこにいるのですか?」
「まずは座りなさい」
弾んだ声で聞いたわたくしを諫めるようなお父様の声に促されて向かいの席に腰を下ろした。
なんだか、思っていたのと違うわ。
エマと歓喜の再開を想像していただけに、調子が狂ってしまった。
両親の顔に喜びの表情がない。お母様は目頭にハンカチを当てて涙を拭っていた。
いったい、これは……まさか……
俄かに不安が押し寄せてくる。考えたくはないけれど、まさか。最悪の事態が起きたというの?



