婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています

 
 
 やがて、気を取り戻したレイ様の頬がほんのりと染まっていきます。
 私を見る意味ありげな視線。

 
 これは大丈夫ですよね。間違っていませんよね。

 穴が開くほど見つめられると、ちょっと、不安になってきました。


「一緒だね。俺にとっても、ローラは大事な人だよ」

 ほんのりと色香を纏った瞳にドキッと心臓が跳ねました。

 レイ様は私の言葉に返しただけ。

 それなのに、一瞬、ほんの一瞬だけ……違う意味に聞こえてしまったのは何故なのでしょう。


 私の肩からずり落ちたショールを手にして、再び私の身体を包んでくれます。

「お互いに大事にしないとね」