「ディアナが?」
頻繁に見舞いに訪れてくれる彼女。今日も来てくれたのね。怪我で療養すること以外は何もすることがなくて、退屈している私のために話し相手になってくれるディアナ。
私を抱きかかえる姿勢になったレイ様に
「レイ様。歩けますから」
あまり過保護にしてもらっては甘え癖がついてしまいます。ただでさえレイ様の腕の中は居心地がいいのですから。
「ディアナも待っているし、こっちの方が早い。それとも俺に抱っこされるのはイヤ?」
置いてきぼりにされた子犬のようなしょんぼりとした顔で腰をかがめたレイ様と目が合います。
「もう。レイ様、ずるいです」
そんな顔をされると拒否できないわ。
「まだ、完治していないのだから当然のことだよ。さあ、行こう」
抵抗してみたけれどそういわれると何も言えなくて、結局、レイ様に体を預けて抱きかかえられた私。
お姫様抱っこで運ばれてきた私を見たディアナ。
「あいかわらず仲がいいわね」
からかうような声と生暖かくニヨニヨした表情で迎えてくれたディアナを前にして、顔が真っ赤になってしまったのはいうまでもありません。



