「ローラ。怪我が治ったら、もう一度だけチャンスをくれないか?」
チャンス?
「あの日のやり直しをしたいんだ。その時にローラの気持ちを改めて聞かせてほしい」
「……はい」
レイ様の申し出に動揺した気持ちを何とか押さえ込んで返事をしましたが、心の中は動揺しまくりです。
でも、よく考えると私もチャンスをもらったのかもしれません。
素直に正直に気持ちを伝えるチャンスを。
「ローラ、お休み」
レイ様の手が離れていくのが名残惜しくて、ずっと離してほしくなかったけれど。
今頃、睡魔が襲ってきたよう。瞼がとろんとしてきました。
気丈にしていたけれど疲れていたのかもしれません。
最後に頭を撫でたレイ様に微笑みを返して、ぼんやりとした視界で背中を見送りました。それから、私は深い眠りへと落ちていきました。



