婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています

 
 さらに突っ込んだ問いに言葉が濁ります。お母様はすました顔で紅茶を飲んでいました。お父様は黙して語らず。私達のやり取りを見守っているようです。どちらにしても二人の視線が少々痛いわ。
 
 かといって、隠すわけにはいかず、今までの経緯を話しました。

「そう。フローラの気持ちはわかったわ。あなたなりに考えた結論だったのね。それで、これからどうするの? どうしたいの?」

 これから、どうしたいのか。
 問われて言葉に詰まりました。

「これがいい機会なのかもしれないわね。フローラ、もう一度しっかりと自分の気持ちに向きあったらいいと思うわ。わたくしたちはあなたの決断を支持するわ。あまり悩み過ぎずに素直になったらいいと思うわよ」

 私の気持ちを慮ってくれたのか、深く追求せずにいてくれました。
 
「はい」

 両親の温かさに胸にくるものがありましたが、表に出さないようになんとか我慢しました。
 このあとはたわいもない話をして時間を過ごしました。