「大事な事よ。あなたの返事次第でわたくしたちもいろいろ考えるわ。だから教えてほしいの」
穏やかな表情の中にも真剣な気持ちが伝わってきて、隠せるものではないと悟りました。王族との結婚は否が応でも周りを巻き込んでしまう。プロポーズをされた時に、すぐに相談すればよかったのかもしれないわ。
今頃、後悔してもだけれど。
先ほど目を逸らしたお父様も今は真面目な顔で私の事を見つめていました。
両親に恋心を告白するのはとても恥ずかしいけれど、避けては通れない。胸の鼓動が早くなって緊張してきたわ。
両親が注目する中、私は何度か呼吸を繰り返して息を整えました。
「私はレイニー殿下をお慕いしています」
意を決して一気に言うと火照った顔を隠すように目を伏せました。
「お慕いしている。それがフローラの気持ちなのね」
私は下を向いたままをこくりと頷きました。
「それで、レイニー殿下とはどのような感じになっているのかしら?」
「それは……」



