「レイニー殿下。フローラ様。王妃陛下がお越しでございます。それから、ブルーバーグ侯爵夫妻もご一緒ですが、いかがなさいますか?」
二人の時間の終わりを告げるセバスの声に、溜息を一つ小さくついたレイ様はベッドから下りて立ち上がりました。
「わかった。通してくれ」
レイ様の返事を合図に扉が開いて、ローズ様と後ろに両親の姿が見えました。
「フローラちゃん。無事でよかったわ」
私の姿を見たローズ様が安心したように顔を緩ませました。
「ご心配をかけてしまい申し訳ありません」
「何を言っているの。大変な思いをしたのはフローラちゃん、あなたよ。謝る必要はないわ。怪我をしたと聞いているわ。治るまでここでゆっくりと静養なさいね」
「過分なるご配慮をくださりありがとうございます」
私は頭を下げました。
レイ様の元にいることをローズ様からも公認されてしまったわ。



