そちらに注目するとアンジェラ様が部屋に駆け込んでくるところでした。
「フローラちゃんは大丈夫なの?」
肩で息をしている様子から、誘拐の件を聞いて大急ぎで駆けつけて下さったのでしょう。東の宮まで伝わってしまっているのね。心配の種を増やしてしまったようで、申し訳ないわ。
「おかげさまで、警備隊やダンが助けてくれたので大事に至らずにすみました」
「よかったわ。怪我をしたと聞いたけれど具合はどうなの?」
「軽い捻挫だったみたいで、一週間ほど安静にしていればよくなるそうです」
ベッドのそばに用意された椅子に座り、元気そうな私の顔を見たアンジェラ様から安堵の息が漏れました。
「そうなのね。軽く済んでよかったわね。でも、無理はしないでね。しっかり治療は受けてね」
「はい。お心遣い頂きありがとうございます」
私達のやり取りを見ていたレイ様は
「義姉上。いきなり部屋に入ってくるなんて、何事かとびっくりするではないですか?」
困った顔でこめかみを指で押さえてぼやきました。



