婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています


「医者に待機してもらっているから、まずは診察を受けよう」

 すぐに抱きかかえられた私は馬車から連れ出されました。

 そこに広がっている景色は、私の邸ではなく、西の宮。

 どうして? と思う間もなく部屋へと運ばれて、診察を受けていました。


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「捻挫ですね。骨には異常はないようですので、一週間ほど安静にして様子を見ましょう」

 診察をしてくれたのはサマンサ先生。

 宮の一室の診察台で診断結果を聞いた私はやっと肩の力が抜けました。一週間の療養期間はあるものの重症ではなかったようで一安心です。

「フローラ様。捻挫を軽く見てはいけませんよ。最初の治療が肝心なんです。捻挫は癖になりやすい怪我ですからね。しっかりと直しましょう。痛み止めと熱が出る可能性もあるので解熱剤も処方しておきますから、我慢せずに必要な際にはお飲みください」

「はい。ありがとうございました」

 治療が終わると先生はそばに控えていたエルザに処方箋を渡すと医務室まで取りに来るようにと言付けて、部屋をあとにしました。