「お頭、早くしねえと警備隊が来ますぜ。早く、ずらかりましょう」
「わかっている。みんな急ぐぞ」
剣がぶつかる音も聞こえてきます。
その間にとうとう馬車から引きずり出されてしまいました。
男の腕から逃れようと動きますが男の身体はびくともしません。足をバタバタさせた拍子にヒールが石畳の溝にはまってしまって、抜けなくなりました。どうにかして靴を取ろうと捩っているとぐきっと足首に痛みが奔りました。
「やべ、警備隊が来ましたぜ。おい、ずらかるぞ。急げ」
「悪く思うなよ。お嬢ちゃん」
目の端に幌馬車が映りました。仲間だと思われる男達が乗り込んで、私を捕まえたお頭と呼ばれた男を待っているようでした。
ジタバタと足を動かしようにもすごい力で押さえつけられて動きが取れず。
「大人しくしな。そうすりゃ、無傷のまま匿ってやるからよ。なんせ、大切な金づるだからな」



