「い、いや」
少しでも離れようとシートの隅に身を寄せます。自分の身を守るように腕を抱きしめました。
その間にも男は私へとにじり寄り荒んで濁った目が私を視界に捉えると私の顎を掴むと上向かせ、分厚い唇をゆがませて口の端を上げました。
「誘拐するだけじゃあ、もったいねえな。すべすべの白い肌に清純で可愛らしい顔。体つきもまあまあよさそうだしな」
下品な笑いといやらしい目つきで眺めまわした男は、私の身体を捕まえると外へと引きずり出そうとしました。
「た、たす……」
声を出そうとした時、口を手で塞がれてしまい言葉になりませんでした。何とか連れ去られまいともがきますが、ズルズルとシートの上を滑るばかり。



