窓から外を覗くとリンゴを拾っている姿が目に入りました。道路いっぱいに広がったリンゴたち。二人の護衛騎士も馬から下りて手伝いを始めたようです。
投げ出されたリンゴは傷んでいるのではないかしら?
廃棄されそうならこちらで買い取ってもいいかもしれないわ。加工用に回せば使い道はあるものね。
馬車の中でのんびりとそんなことを考えている時でした。
「うわっ、何をするんだ」
護衛騎士の声が聞こえて、彼らめがけてリンゴを投げつける農民。
「おい、何を考えているんだ」
身を守るように手で顔を庇っている騎士たちに容赦なくリンゴを投げつけていました。
相手は農民です。
剣を抜くことも憚られるのでしょう。無残にも石畳の道路にたたきつけられたリンゴはつぶれて果汁がどこそこに飛び散っています。
一人の騎士が馬に乗り駆けていきました。



