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東の宮を辞した馬車の中。
流れる景色をぼんやりと目の端に見ながら、考えるのはレイ様の事。
ひとしきり泣いてしばらくたった頃、思い立ったが吉日とばかりに「西の宮に先触れを出してあげるわよ」と言ってくださいました。
さすがにこれには慌てふためき、急すぎる対応に気持ちがついて行けず辞退することに。
泣きすぎたせいで目が赤いし、腫れぼったい気がして、とてもではないけれど、お会いできる状態ではないでしょう。
「目を冷やして、少し休めば大丈夫よ」ともおっしゃったアンジェラ様の張り切りように、若干むずがゆさを覚えてしまいました。
『そうよね。善は急げというけれど、急がば回れという諺もあるわね。あちらの準備もあるでしょうし、一生に一度の事ですものね。最高のコンディションと最高のシチュエーションがベストよね。フローラちゃん、来週会えるように連絡をしておくから頑張って。体調も整えておくのよ』



