実現しない夢を見ていたわたくしと嘘を真実だと思い込んでいるエマ。 現実と虚構の狭間でわたくしたちは泣き続けた。 そして、どのくらい経った頃だろう。 「フローラがいなければ、フローラさえいなければ、わたくしはレイニー殿下と幸せになれたのに」 ふと、こぼれ出たそれは、紛れもなく、わたくしの本心だった。