「わたくしがいいと言っているのに。まったく、お堅いのだから。でも、そこがディアナの良いところなのかしら」
爵位を重んじて彼女を尊重する態度に自尊心をくすぐられたのか、まんざらでもない様子のビビアン様。
「そう言って頂けると、有難いですわ。ビビアン様、ありがとうございます」
ことさら、表情を明るくしてお礼を言うディアナに満足したのか、説得するのを諦めたのか、ビビアン様は食事を再開させました。
食事をする様子がどことなく弾んでいるように見えるので、満足しているのかもしれません。
この後は主にディアナとビビアン様が話題を提供して、当たり障りのない会話をしながら食事を終えました。
「友人と約束があるので、ここで失礼するわね。今日は楽しかったわ。また、ご一緒しましょう」
鮮やかな笑顔を残して、ビビアン様は去っていきました。



