「本……図書室に新しい本が入ったから見てみない?」 急な申し出に目をぱちくりとさせました。 「リッキーにも役に立ちそうなのがあるかもしれないから。よければ、教材に使ってほしいんだ」 「図書室……」 リッキー様のため? 教材を探していたことを覚えて下さっていたのかしら? 使わせていただけるのは嬉しいけれど。レイ様を頼っていいの? 甘えていいの? 断る理由。 承諾する理由。 私はどちらを探しているの? 逡巡する頭の中。