今、レイ様はどんな表情をしているのでしょう?
想像するのも怖くて顔を上げられませんでした。
子供の言うこと。深い意味はないのかもしれません。いつまでも口を閉ざしていてはお二人にも悪い気がしてきます。好きにも色々あるわ。男女の愛情だけではないわ。自分に言い聞かせました。
「ローラおねえちゃん? レイおにいちゃんのこと、好き?」
再びの問い。リッキー様の純真さに絆されたけれど
「好、き……です」
男女の愛情だけではないと意気込んでみたのに、出てきたのはごにょごにょと、か細い声。
俯いて途切れ途切れに言うのがやっと。
そんなあやふやな答えでも、顔を上げてみればレイ様の朱に染まった顔が目に映って、動揺してしまいました。
勘違いされているような、本当は勘違いではないのだけれど、でも、好きと言ったのは、そんな意味ではなくて……こんがらがる頭で必死に心の中で言い訳する私。



