「ふう」
大仕事を終えたとばかりにリッキー様が額を手で拭っていました。その仕草が愛くるしくて笑みを誘います。
「リッキー、頑張ったな」
レイ様から労いの言葉をもらったリッキー様は満足そう。目を白黒させていたマロンはまだレイ様の肩の上。
「まったく。マロンも油断ならないな。興味津々だったし、ちょいちょい、水をつついてたのは見ていたから、悪い予感はしてたんだ」
マロンの頭を撫でるレイ様。
高みにいるマロンは何事もなかったかのように、手のひらに頭をスリスリして気持ちよさそうに、ゴロゴロと喉を鳴らしています。
「マロンすごかったね。あんなに大きい魚を捕まえるなんて思わなかったもん」
「そうだな。本人が一番びっくりしてるんじゃないか。こいつの驚きようを見たら捕まえるつもりはなくて、運よく爪に引っかかって釣り上げた形になったのかもな」



