「やっぱり、猫だなあ」
ちょっと、困ったようにつぶやいたレイ様は
「レイお兄ちゃん。この魚、なんという名前?」
次々と指さすリッキー様に答えていました。
川に沿って場所を変えて歩きながら、ポツリポツリと話をします。ローラと呼ばれるたびに胸が熱くなって恋しさがこみ上げてきます。
プロポーズを断ってしまった私が今更と思う気持ちもあって、遠慮がちになってしまう。相応しい方は他にもいる。そう思う自分もいて、頭の中が混沌としている。
「うわっ」
不意にレイ様のひときわ大きな叫び声が聞こえたと思ったら、一目散にマロンがレイ様の身体を駆け上り肩に乗っていました。おっかなびっくりといった体で目の前を凝視しています。
「でっかいの釣り上げたな」
「マロン、すごーい」



